ランダムサンプリングでの期待値と分散の導出

こんにちは、そのべです。

今回はランダムサンプリングについて解説します。

前回は、超幾何分布と二項分布・ポアソン分布の関係性について解説し、平均値と分散の導出まで行いました。

実は、ここから延長としてランダムサンプリングの理解も深めることができます。

統計学は、一本の線のように繋がっているので、1つをしっかり理解できたらその次も簡単に理解ができるんです。

ジェンガのように、土台を丁寧に作っておけば、その上は簡単に置けるのと同じですね!

なので、超幾何分布と二項分布、ポアソン分布についての理解に自信がない方は、まずは上に載せた2つの記事を先に読んでもらうといいと思います。

それでは、解説していきます!

ランダムサンプリングとは

まず、ランダムサンプリングとは、母集団全てを調べることが難しいため母集団を忠実に表すサンプリングを作るようサンプリングすることです。

図示すると下記のようになります。

母集団N個を全て調べるのが難しいから、調べられるn個を無作為に抽出して調べることで母集団の傾向を掴もうとすることです。

このとき、無作為にサンプリングしたn個の平均値の期待値と分散は次のように表せられます。

では、なぜこう表せるかを考えていきましょう!

平均値の期待値の導出

まずは、平均値の期待値から導出していきます。

はい、導出できましたね!

ここで気を付かないといけないのは、Xiは実際のそのものデータの値ではなく確率変数ということです。

例として、サイコロを振った時の目の数が実際は1だったとしても、この1がXiになるわけではありません。

いろいろの値をとりうる変数Xがあって、それぞれの値をとる確率が決まっているときXを確率変数といい、あくまで変数なので実際の特定の値はとりません。

平均値の分散の導出

まず、(N-n)/(N-1)は母集団からサンプルをとっていく中で徐々に母集団の数が減っていくことを表すための有限修正と呼ばれるものです。

どうやって、この値が出てきたの?と疑問に感じた方は、「超幾何分布とは(1)」において超幾何分布の分散導出で解説してますので参照ください。

母集団が抜き取り個数に対して十分に大きければ、(N-n)/(N-1)が1に近づくことがわかるように有限修正は無視できます。

一般的には、

抜き取り比n/Nが0.5より大きい場合は大きく効いてくる。

抜き取り比n/Nが0.1より小さい場合は無限母集団とみなしてよい

とされています。

導出過程は下記のようになります。

導出過程内で、分散の性質を利用しましたが何これ?と思った方のために紹介しておきます。

用いた分散の性質はこちらです

(分散の性質の導出過程も書いておきます)

以上で、ランダムサンプリングの平均値の期待値と分散を導出できましたね!

追求すれば、どんどん新しい知識を学べることが実感していただけたのではないでしょうか。

おすすめ学習教材

最後にですが、私が学習に使用した教材を紹介しておきます。

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プロフィール
そのべ

国立大学機械学科に入学。
機械工学の勉強をし、大学院では魚の泳ぎ方について研究して修士卒業。
現在は、メーカーで品質管理の仕事に携わる。
QC検定準1級を取得。現在は1級取得を目指す。

将来の夢
「本を執筆して一人でも多くの”わからない”を”わかった”に変えること」

そのべの備忘録では「統計学」「アプリ作り方」「自分の人生で得た教訓」など幅広く役立つ備忘録を配信しています。

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